役員変更登記を怠るとどうなる?

株式会社等の運営において、役員の変更登記はしばしば発生する事項です。
新たな役員が就任する場合や、既存の役員が退任する場合もさることながら、特に株式会社等の場合は同じ役員が継続(再任)する場合でも、これを法的に適切に反映させるためには「役員変更登記」が必要です。しかし、役員変更登記を怠ると、企業にさまざまなリスクや問題が生じる可能性があります。今回は、いくつかある問題点のうち主に2つの点について書きたいと思います。
なお、注意していただきたいのは、先ほど文字をちょっと強調しましたが、同じ役員が継続する時も登記が必要なんです。

1. 法的リスクの増加

役員変更登記を怠ることは、法的リスクを増加させる最も大きな要因です。会社法では、役員の変更(再任を含む)があった場合、一定期間内に登記を行うことが義務付けられています。これを怠ると、「過料」(イメージ的には罰金でご理解ください)が科される可能性があります。
また、法的トラブルが発生した場合、登記が適切に行われていないと、責任の所在が不明確になり、法的責任の追及を受けるリスクが高まります。

2. 企業の信用低下

役員変更登記は、企業の信頼性を示す重要な要素です。適切に登記が行われていない企業は、取引先や金融機関からの信用を失う可能性があります。特に、新たな取引先との契約や融資の申込など、企業の成長に不可欠な場面で不利になることがあります。例えば、新たな取引先から登記を確認された時に、役員変更登記を怠っている?と思われると、契約不成立になったりする可能性があります。
また、他にも、補助金申請にあたり、登記事項証明書を提出する必要があるときに、役員変更登記を終えていないため慌てたりする恐れもあります。登記には時間がかかりますので、最悪の場合には補助金申請期限に間に合わなくなることもあり得ます。

まとめ

役員変更登記を怠ることは、企業にとって重大なリスクを伴います。法的リスクの増加、企業の信用低下、内部の混乱、株主や投資家からの不信など、多岐にわたる影響が考えられます。
また、株式会社等では役員が再任された場合も役員変更登記として登記が必要になります。
役員の変更が発生した場合は、迅速かつ正確に登記を行うことが、企業の健全な運営と信頼性維持のために不可欠です。登記手続きに不安がある場合は、お気軽にお問合せ・ご相談ください。

てらお東法務事務所
司法書士 片岡裕一
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