令和6年建設業法改正が可決されました

以前、「参考)国交省中建審基本問題小委員会中間とりまとめ」という記事を書きました。これに関連する建設業法の改正が今月(令和6年6月)、国会で可決されましたので、簡単に触れたいと思います。

1. 改正の概要

今回の建設業法改正の概要としては、次のものが挙げられます(詳細は、国土交通省の発表をご覧ください)。
(1)労働者の処遇改善
(2)資材高騰に伴う労務費へのしわ寄せ防止
(3)働き方改革と生産性向上
  ・長時間労働を抑制するため、受注者における著しく短い工期による契約締結を禁止。
  ・ICT活用等を要件に、現場技術者に係る専任規制や、公共工事における施工体制台帳提出義務を合理化。
  ・ICT活用による現場管理の「指針」を国が作成し、特定建設業者や公共工事受注者に対し、効率的な現場管理を努力義務化。

改正点は多岐に渡りますが、前回の記事でも触れた、(3)の2つ目、技術者の選任規制に注目できます。

2. 改正の詳細や今後の見込み

公式には、前回の記事で触れた案程度しか資料を見つけることはできませんでした。そのため、詳細は今後の動向を見守る必要があります。ただ、従前の例からすると、改正法の施行時期ギリギリのタイミングにならないと公式な発表はないものと推測されます。

ただ、会議の資料からも伺えますが、技術者の選任規制が緩和されるということは、建設業を営む者にとっては請け負うことのできる工事件数を増やすことができるという点は有利になると考えられます。経営環境の厳しい中、従業員を増やすことは難しいでしょうし、特に資格のある技術者を数多く抱えることはさらに難しいと思います。
そのような中で、受注件数を増やすことのできる改正は、経営の安定化に向けて好材料となるのではないでしょうか。

今のところ、施行時期も明確ではありませんが、1年6ヶ月以内に施行する旨、附則にありますので遠くない将来に施行される予定です。気になる建設業者さんは最新の動向に注視しましょう。